ザ☆ネットスター!をつくってみた。

marudonguri2007-12-15





仕事というのは、集中する時はどうしてこう怒濤の如く集中するのでしょうか。
いくつも様々な仕事が重なって、7月あたりから全然休んでおりません・・・。
それもどれもが目新しい仕事ばかりなので、暗中模索の日々です。
ということで、珍しいことに、久々にちゃんとした番組みたいなものまでつくってしまいました。
その作った番組について、ホントのとこはどうなのだよという周囲の問いかけが多いので、
ちょこっとだけお話したいと思います。一種の説明責任みたいなもんでしょうか・・・。




きまぐれで出した提案があれよあれよという感じで通過し、すぐやれすぐ作れということになり、
いろいろ未消化のところも残しながら、放送ということになってしまいました。
その名も「ザ☆ネットスター!」。
ニコニコ動画にもアップされたりしたので、ご覧になった方もいるかと思いますが、
名前の通り、ネットの中のスター、凄い人やコンテンツを紹介する番組です。
前から似たような提案は出していたのですが、今までは全くスルーされていました。
今回すんなり通ったのは、どういう風の吹き回しなんでしょうか。
よくわかりませんが、テレビ側がネットのことをいよいよ無視できなくなってきた証拠かもしれません。


テレビ側に近い人間なのに、実際はテレビをほとんど見ずにネットだけで暮らしているような毎日なので、
今回の番組では、正直に自分が日頃、凄い!と思う人々やコンテンツを並べてみました。
放送後の感想などを見ると、ネット住民やオタクに媚びているといった言葉もありましたが、
そんな意識はなくて、むしろネット寄りになりすぎる自分を客観的に突き放すことが大変でした。


オープニングが美少女ゲーみたいということで話題になったようですが、
自分としてはキャラ絵を使うことで、バーチャルな人格とは何かを象徴したいと思っていました。
ミクを使ったのは、単純に予算の問題と、「あなたの歌姫」という曲に惚れたからです。
「あなたの歌姫」はホントに素晴らしい曲だと思います。
今回は超短期間で絵師の方も、曲の方も、アニメの方もフルスロットルで仕上げてくださって、本当に感謝しています。
アニメ番組でもないのに、キャラ絵をオープニングにするというのは、発覚(笑)してから
ずいぶんいろいろ言われましたが、最終的にはこういうのもアリかという雰囲気になり、心底ほっとしました。


スタジオがなにかに似ているとか、声優さん起用とか、BGMがとか、
自然と小ネタコード解読みたいな番組になっていきましたが、
結果それが、二次創作こそが最上の楽しみである現代のメディアというものを体現したようでもあります。


出演者と天の声の意識の違いという演出は、今までの予定調和なテレビ的進行に飽き飽きしていたことに起因します。
テレビ的に仕切る天の声と、台本も無く戸惑う出演者という構図を鮮明にして、テレビ的なものを炙り出そうとしたのですが、
やはりぶっつけ本番では、その意図がうまく伝わらないところがありました。
私がスタジオの空気を読んで、臨機応変に天の声のセリフをその場で書いていくという方式だったのですが、
思っていた以上にスタジオ進行が早くて、追いつけませんでした。
しかし予想外なところで、天の声が自主的に暴走してくださって(笑)、トータルでは満足のいく形となりました。
やはり柚姉は素晴らしい!


普段からテレビは、2ちゃんの実況板とともに見ていることが多いのですが、
今回くらい、ドキドキしながら放送を迎えたことはありません。
普通の試写とは比べものにならないほどのプレッシャーを感じました。
ワンシーンごとに下される批評や感想に身を削られる思いでした。
やっぱりある意味、無茶な番組だったのかもしれませんね・・・すみません。
でも今回の反応で、あるヒントとアイデアを得ました。
おおかたの予想に反して、好意的なメッセージが多かったので、
今回得たヒントはこれからの制作に生かすことができそうです。


テレビ的なコモディティに陥らずに、常に斜め上を目指してがんばりたいと思います。