イノセンス

映画「イノセンス」。
巷間言われている細かな引用トリビアなんかは、ヲタさんらに任せるとして、私は犬好きなので、素朴に犬シーンに感情移入。
犬の甘え方とかしぐさの描写は犬飼ってる人にしかわからないと思う。やはり犬は「生」の象徴だ。
パンフの最後に、これでバセット犬ブームが来たら困るとか注意書きが書いてあったが、心配しなくとも、そんなの来ません(笑)。



肝心の人形については、どうしても好きな文楽と結びつけたり比較してしまう。西洋の人形の場合、操り人形というイメージが強いが、文楽の場合、人形と遣い手は一体感があって、どちらが操るというものではない。むしろ人形が遣い手に憑依しているような感覚に襲われることがある。
以前から、私はアニメと文楽の関係性を考えてきているのだが、今回の映画はそれをさらに深く進める一助になりそうだ。
今まではアニメのビジュアル手法と文楽の人形の動きや造形などの共通性について考えてきたが、やはり扱うテーマについてももう少し考えていきたいと思った。



文楽の扱うテーマはほとんどが死である。または喪失の悲しみ。
生命のない人形が、死について語り演じるという究極の矛盾そのものが文楽の魅力なのだ。
生を持たない者こそが、いのちについて客観的に語ることができる。生身の人間や俳優が「生きるってことは・・・」なんて言っても、空々しいだけだ。「プライド」のキムタクみたいに。



ユビキタス関連でヒントになりそうなシーンもあり。
しかしダーク方面系のヒントばかり思いつき、自分の暗黒面を再認識した次第(笑)。



宮川のうなぎ
酸辣湯
久保田 碧寿