キャシャーンとかうどんとか

 「新造人間キャシャーン」をCSのホームドラマチャンネルで見る。主題歌の佐々木功のますらお振りが往年のタツノコプロの勢いを示している。宇多田にぜひこの曲をカバーしてもらいたいほどだ。
 実写版「CASSHERN」は未見だが、たとえそれが駄作であろうと、忘却の彼方だったキャシャーンを思い出させてくれた功績は大きい。



 キャシャーンは70年代の作品だが、改めて見ると、様々な当時の社会状況を投影していて興味深い。
環境保全用のロボットが反乱を起こし、それが公害に代わる新たな人間への脅威になるという設定だ。加えて、人間かロボットかという「イノセンス」などにも通ずるヒーローの葛藤なども描かれている。
 資料によると当時いきなり打ち切られた経緯があるらしいのだが、やはりこういうシリアスな内容は相当異色だったのだろう。



 かの村上春樹も絶賛した讃岐うどん「なかむら」からうどん届く。すべてセルフ、薬味のネギなどに至っては裏の畑で採ってこいという伝説を持つ店である。
 無類のうどん好きとしては待ちに待った到着であり、さっそくひと玉茹でる。説明書きに従って14分30秒。やや細麺か。
 添付のつゆとともに食してみると、少し柔らかい。しかしコシはあって喉ごしはよい。追加ひと玉を1分短く茹でてみる。今度は固さも丁度良い。
 四国の人に言わせると関東のうどんは固すぎるのだそうだ。コシがあるということと麺の固さを一緒に考えてしまいがちだからだろう。私自身も正直そのへんまだまだ自信がない。うどん修行は果てしないのだ。



 資料用に保存していた「夢であいましょう」見る。昭和30年代を代表する音楽バラエティ番組である。初期のTVバラエティのパターンとして、司会とゲストのトーク→コント→歌のループという黄金構成がある。たぶんこれはアメリカのショー番組の影響などが強いと思われるが、最近はこのパターンを持つ番組が絶滅してしまった。
 視聴者としてはトークバラエティ+お笑い番組+音楽番組という、一粒で3度おいしい内容なのだが、今のターゲットを的確に絞るマーケティング手法が浸透した番組制作では、そうしたものを望んでも無理だろう。
 改めて見て驚くのは美輪明宏(当時は丸山)のスタイリッシュな佇まいである。日本の伝統的音頭をジャズ風アレンジして唄うという趣向(作は永六輔)もすばらしいが、黒のハイネックと細身の黒パンツですらりと立つ彼の姿(当時はまだ女装していない)は今のジャニーズなど真っ青の美貌である。
 筒井康隆が昔、その日記の中で、銀座のバーで美輪氏に会って握手した手をもったいなくて一日洗わなかったと書いていたが、その気分がわかるような気がした。
 なよなよすることだけがゲイ的表現だと簡単に考えている今の若いゲイタレントはこうしたものを見て、少しはゲイというものに秘められた真の美しさを見つめ直してほしいものだ。



 うなぎ
 みょうが
 上善如水