祭のあと

日曜は三社祭、最終日。
朝4時半から続々と町内に陣取る猛者@グラフィッカーズが、境内に向かう。彼等にとっては、一年に一度の男を見せる晴れ舞台なのだ。降りしきる雨にも負けずに出陣。
そうはいっても、雨の中、じっと待つのはいくら猛者でも辛いはず。昼の二之宮渡御、午後の町神輿と気力は続くのかと心配になる。


そんな心配は全くの杞憂。遅れること50分。二之宮が芝崎町から渡されるやいなや、グラフィッカーズ大爆発。
警察の警告も巧妙にかわしながら、入れ替わり立ち替わり全身絵巻物人間が神輿の上で舞い踊る。狂喜する観衆。
横町から天下の大動脈、言問通りにまろび出ると、もう勢いは止まらない。のたうち回る大蛇の如く、神輿は左へ右へ観衆に襲いかかる。交通は完全麻痺。
舞い踊る絵人間を捕獲する警吏の怒濤のダッシュが凄まじい。
毎度のこととはいえ、生の騒乱はやはり何度見てもおもしろい。祭りの存在意義は入り乱れる聖と俗のカオスにある。


午後の町神輿では、客人らも神輿を担ぐことができ、すばらしい締めくくりになった。
その後、三浦屋でふぐ。名物店主、今日も相変わらず店番をしていた。彼は祭りには参加しなかったのだろうか。実はこの店、我が家とそっくりの犬がいて、犬との散歩で店の前を通るたび、店主以下一同、満面の笑みで迎えてくれる。お互い普段は、犬というポイントで繋がっている関係なのだ。
ここのふぐは値段の割に量が多いのが売り。味はまふぐにしてはまずまず。とらふぐを似たような値段で出す、三角という店も近所にあって、そちらはいつ覗いても混んでいる。いつかはそちらも行ってみたいものである。


一夜明けた朝、境内を散歩すると、そこかしこに担ぎ手の残したわらじや足袋の残骸が。祭りのあとは、いつもせつないものである。
普段と変わらぬ風景がまた今日から始まる。


うなぎ
ひじき
青豆
久保田万寿