「砂浜」佐藤雅彦。

昼、ロボット制作の打ち合わせ。サンプルとして見かけは簡単なつくりのものを見せていただくが、設計図やら中身を見て仰天。すさまじく緻密。見かけからは想像もできない。
簡単な動きするだけでこんなに複雑なことが必要だとは。いかに人間がすぐれたマシンかを実感する。
しかし理系の人と話しているとおもしろがるポイントが文系の自分とは違っていて、そこが妙におもしろい。お互い浮世離れした発言をしてもその離れかたが微妙に違う。生きている浮世が違うのだろう。


「砂浜」佐藤雅彦
 「ようこそ先輩」でも沼津の自然を語っていたが、この小説集は彼の原風景である静岡の海がテーマ。最初の作品が一番素朴でよかった。あとのものは少しつくった感があるような気がする。あとからじわじわ効いてくるのかもしれないが。
 書評では文章が書けない気質なので、いったん声に出して語ったものを録音して、それを筆記していったそうだ。日本人では珍しい症例に起因しているとも語っていた。不思議な人だ。
 緻密な計算でモノをつくっていく彼には珍しく、今回のこの本はいい意味で隙があるモノになっている。しかし近頃珍しい箱入り本なのだが、ハコと中身の本のすき間がゆるゆるで、油断すると中身がするっと出てしまう。これは狙いなのか?狙いでも少し不便。


いとうせいこう氏、新作浄瑠璃に取り組んでいるらしい。
興味あり。期待大。


近所の交番で数人のやくざと数人の警察、こぜりあい。
やじうまが増えるに伴って、やくざの怒号が大きくなるのがおもしろい。やはり観衆を意識するのだろうか。


「半島」松浦寿輝
 最近では珍しくページをめくるのが惜しまれるほどの愉楽をもたらしてくれる貴重な本。あまり話の意味はわからないのだが、それ故、なにかがうまく体の中で作用しているのだろう。文章とはつくづく不思議なものだ。


新しく買った電子本「リブリエ」で伊坂幸太郎とか読んでも読了した気分にならない。なぜだ。


いくら ざるどうふ