3年目の911

marudonguri2004-09-11

 9.11のテロ事件から今日で3年目。アメリカやヨーロッパでは様々な追悼セレモニーが開かれたようだが、日本では既にもう過去の事件として関心は低下している感じだ。
 私はテロの時刻に、コペンハーゲンからパリに向かってのフライト中だった。降り立ったパリのドゴール空港には軍隊が出動していて、一瞬、戦争が勃発したのかと思ったほどであった。その後数時間のトランジットを経て、日本への帰国便に乗ったのだが、その間、何が起こったのか全く乗客には知らされずにいた。まあ事件を知っていたら、成田に着くまで気が気でなかったろうから、まさに知らぬが仏であった。
 成田に着いて、事の真相を知った時は身の毛がよだつような戦慄が走ったのは言うまでもない。


 事件翌年の9.11はストックホルムに滞在していた。ささやかな追悼の意も込めて、郊外にある森の墓地を訪ねた。そこは、かの有名な建築家グンナール・アスプルントが設計した火葬場や十字架のモニュメントで知られている場所である。
 その静謐な丘はその日もふだんと変わらない様子で誰かの葬儀が淡々となされ、森には故人を偲ぶ人々が墓参に訪れていた。
 丘の十字架のそばに立って空を見上げると、一筋の雲を吐きながら飛行機が飛んでいくのが見えた。
 市街に戻ると、あちこちで追悼の鐘の音が鳴っていた。
 今年もやはり同じように鐘は鳴ったのだろうか。


 TVのニュースで目にするのは、アメリカを筆頭とするいわゆるキリスト教的セレモニーばかりだが、日本の仏教関係などは9.11の追悼行事を行ったりしているのだろうか。仏教的な世界観での追悼の方法には興味があるのだが。