歌舞伎でイナバウアー。
三谷幸喜の初の歌舞伎、「決闘!高田馬場」がついに千秋楽に。幸いにも楽日に観ることができた。
前日にWOWOWで中継していたのをちらっと見てしまっていたが、役者の運動量がもの凄いことに驚いた。どこかに歌舞伎役者というのは一年365日、芝居をやっていける生き物なのだと書いていた人がいたが、まさにその通り。疲れをものともせずにノンストップでほぼ一ヶ月の公演をやってのけた。
内容は、もう歌舞伎という枠を超え、歌舞伎のお約束さえもメタ的に利用するというハチャメチャぶり。
歌舞伎座のように花道がないので、客席間の階段を駆けめぐる役者。ブレヒト幕を駆使した早変わりの連続。掟破りの人形劇。歌舞伎という伝統ある掟の中でやるからこそ効果的なイナバウアー。
正統派の人からは「これは歌舞伎か?」と眉をひそめられそうだが、なんでもアリが歌舞伎の本来の精神であるならば、これもまた歌舞伎なのである。
新選組、古畑ファイナル、有頂天ホテル、歌舞伎と続けてきた三谷の挑戦は、次はどこに向かうのだろうか。