ネット時代の図書館。
まあ既に多くの人が語っていることではありますが、図書館とアマゾン。この二つは現在の書店の天敵かもしれません。
最近、図書館を頻繁に利用するようになって、特にそう感じるようになりました。
私の家の近所には、区内でも有数の大型図書館があるのですが、いつ行っても多くの来館者で賑わっています。
多くの人々の目当ては、雑誌と新刊書です。
これらをタダで快適な状態で読め、借りることができるのですから、賑わうのも当たり前です。
雑誌コーナーは、北欧風の洒落たイスと机が置かれ、なんと女性専用席まであります。
週刊誌などピンポイントでしか読みたい記事がない雑誌などは、ここで目を通すだけで充分と思われます。
ベストセラーをはじめとした新刊書もたいてい入っていますから、どうしても買いたい本以外は、あまり所有する気にならなくなってきます。
そういうどうしても買いたい本は、とかく希少本だったりするので、書店に行っても並んでいないことも多く、結局アマゾンで検索して買ってしまうことになります。ロングテール的使い方ですね。
また図書館には、CDやDVDも豊富に揃っており、たとえば立川談志・古今亭志ん朝の落語CDもほとんど揃っているので、最近はそれをせっせと借りてきてはiTunesに収めてしまっています。ツタヤもあがったりです。しかし全巻すべて借りてコピーしていると、正直ちょっと後ろめたい気分にもなりますね。
なんといっても便利なのは、ネットから収蔵書の検索・予約ができることです。最近は区内の別図書館のものまで横断的に検索可能で、予約したものは直近の図書館で引き取りできます。
こうした図書館の充実ぶりについては、「東京コンシェルジュ」に詳しく載っています。
http://www.to-con.com/FRaU/099/
これを見ると、浦安図書館などは「どういう本を読めばよいか」という問いにも答えてくれるサービスまでやっているようです。まるでアマゾンの「おすすめ」みたいですな。
ちなみに、海外に行くと、オーラが漂う図書館というものにしばしば遭遇するわけですが、それはなんといっても書架がタワー的にそびえ立っていることにあります。やはり視覚に訴えることによって、書物ないしは教養の崇高さを示そうとしているのでしょう。
いわゆるBN(現在はBNF)と呼ばれるフランス国立図書館、大英博物館のグレート・コート、そしてストックホルムの市立図書館などは、古き良き図書館の姿を優美にそして威厳を持っていて、その空間に入るだけで、心地よい気分になります。
日本ではもうこうしたバベルの塔的図書館建築は見当たらず、さびしいところです。
ネット検索が主になっても、やはり、開架式の書棚を眺めることで浮かぶ着想というものはあるわけで、そういう書架のレイアウトにも公立図書館はこだわってほしいものです。
加えて、こうしたヨーロッパの図書館などでは、映像資料なども含めて、世間に公開する傾向になりつつあるので、単なるアカデミック・オーラだけでない新たなあり方を見つけようとしているようです。
まあそれにしても、最近の図書館の充実ぶりには驚かされており、今後、図書館の大規模な横断的繋がりが出てくると、もしかするとアマゾンを越えるようなサービスも生まれるかもしれません。
全国取り寄せ可能で、おすすめなど司書的アドバイスもあり、中身検索などの詳細レファレンスなども実現したら、アマゾンより凄いでしょうね。
とにかく、なんといっても、図書館はタダなのですから。
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