文芸誌この一年。
書棚を整理するついでに、昨年発行された主要4文芸誌をすべて並べてみた。サイズが皆同じなので並べやすい。厚さもほぼ同じ。なんだろうこの統一性は。
載っている作品も似たようなもの、と言いたいところだが、よーく読めばそんなこともない。かなり無謀な挑戦をしているものもあるし、ひっくり返るようなイメージを提出しているものもあったりして、なかなか油断ならないのだ。
はっきり言ってエンタメなどに比べて、やっぱり浮世離れしている作品が多いし、なんだかさっぱりわからないものもあり、読んでも時間の無駄だったと思うこともある。
しかし、今の世の中、無駄じゃないことが多すぎるし、何かの役に立たないとダメみたいな風潮だから、逆にこの純文学の何にも役に立たなさ加減がすばらしく愛おしいのだ。
なんだこりゃと思わせるためだけに書いたとすれば、まさに純な文学と言えよう。なんだこりゃだけでいいのだ。その先を求めてはいけない。
今年もまた優雅で無駄な文学たちにたくさん出会いたいものだ。