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「夏の流れ」丸山健二

別に復刊されたから読んだのではない。たまたまそういう気分になって再読したまでだ。だいたい復刊したものには妙な人物のおまけ解説が付いているらしいので嫌なのだ。一方でブログをする者をさんざん批判しておきながら、ブログが一般にも認知されるとすか…

「新潮」3月号に村上春樹の短編が掲載されていた。

「東京奇譚集」と銘打った連作である。第1回は偶然という現象をめぐる話「偶然の旅人」。 変わっているのは、まず冒頭で村上春樹自身が語り部として顔を出すというところ。曰く、芝居の前口上で作者が出てきて挨拶するという感じらしい。そんなことをしたの…

「枯葉の中の青い炎」辻原登。

やっと書店で購入。発売日に近くのリブロに行っても並んでおらず、渋谷のブックファーストで発見。やっぱり純文学系の単行本は賞に関係しないとこんな扱いか。読めば、結構おもしろいのになあ。 内容についてはこちらとかで紹介してます。 http://blog.lived…

文芸誌この一年。

書棚を整理するついでに、昨年発行された主要4文芸誌をすべて並べてみた。サイズが皆同じなので並べやすい。厚さもほぼ同じ。なんだろうこの統一性は。 載っている作品も似たようなもの、と言いたいところだが、よーく読めばそんなこともない。かなり無謀な…

宮城谷昌光×吉川晃司。

「別冊文藝春秋」でおもしろい対談、発見。 「宮城谷昌光×吉川晃司〜我々が中国史に辿り着くまで」。 宮城谷氏の「三国志」絡みの同姓同名の関係者かと思いきや、なんとホントに吉川晃司ではないか!そう、あの歌手の吉川ですよ。モニカの。 どんな話してい…

「そこでゆっくりと死んでいきたい気持ちをそそる場所」松浦寿輝(新潮社)。 待望の最新短編集である。しかし近所のリブロにはまだ並んでいなかった。というか他の松浦氏の本も一冊も無い。「半島」「あやめ・鰈・ひかがみ」くらい置いておけよと言いたい。…

「流れゆく日々」E.G.サイデンステッカー。 川端康成の「雪国」を英訳などしたことで有名な文芸評論家の自伝。川端を始めとして往年の文豪、三島由紀夫、谷崎潤一郎などとの交友が抜群におもしろい。こうした交友録はとかく自慢話めいてしまうおそれがあるの…

「アフターダーク」を読む。

優れた物語の条件とはなんだろう。読んだあと、心になにかを残したり、それによって知らないうちに何かが変わることだろうか。たぶん重要なのは、「知らないうちに」変わることなのだろう。優れた物語は、巧妙に、変わるためのなにかを隠しているものだ。 村…

新球団は東京メッツ希望。

プロ野球は今日もスト。まあ野球が中止になっても大多数の人には影響ないから、みんな気楽にスト賛成って言っている。これが電車とか飛行機とかだったら、そうはいくまい。労使の事情などおかまいなしに「早く動かせ」とか言うに違いない。そんなもんだ世論…

日本画の値段。

「和楽」にて日本画販売。 今月号の「和楽」に付録で、日本画販売の冊子が付いてきた。東山魁夷からはじまって一休宗純、千利休、はては雪舟まである。さすがに雪舟などの掛け軸ものは複製だが。 複製でも雪舟「破墨山水図」8万円、千利休「燈籠文」9万円…

CLAMP登場。

「FRAU」9/28号「CLAMPの素顔」。 「カードキャプターさくら」や「ちょびっツ」でお馴染みの謎の覆面漫画家集団、CLAMPがその素顔を出してインタビューに答えている。女性4人組ということは知っていたが、その実体は謎だったので、これ目当てに買う人も多い…

日経ヘルスを買ってみた。

ヨガが流行っているらしく、釈由美子がヨガに挑戦する特集。ヨガでお腹もひっこむらしい。 なんか6秒づつ吸って吐く呼吸法を身につけるのが難しいらしい。まずは犬のポーズからがんばってみることに。 あと目に付いたのは、ココア特集。ココアは美肌効果、…

モブ・ノリオと柄谷行人

「文學界」10月号「行きはよいよい帰りはこわい ー熊野大学日記から」浅田彰。 先に芥川賞を受賞したモブ・ノリオ氏もこの熊野大学に参加していたことはもはや有名な話になりつつあるが、今年のセミナーにも参加していて、柄谷行人との会話のくだりが面白い…

村上春樹「アフターダーク」 

村上春樹「アフターダーク」来る。 和田誠のブックデザインにしてはシックな感じである。でもよく見ると、「アフターダーク」という題字のフォントデザインは「ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック」に似ているかも。 まだ読み始めたばかりだが、今回…

筒井康隆+町田康+中原昌也

新潮10月号特別鼎談 筒井康隆+町田康+中原昌也 「破壊と創造のサンバ」 そうかこの三人集めて話すという手があったなあ。 なにやら中華料理屋の円卓でお互いの本やCD(筒井氏のクラリネットのCDなんてのもある)を広げて、小説をいかに壊すかという話を展…

村上春樹「アフターダーク」をめぐって

「群像」10月号特集「新しい「村上春樹」」。 人間つかまえて新しいも古いもないんだけど、要は来週出る新刊「アフターダーク」の宣伝というわけ。 いろいろな作家や評論家が村上氏の過去作などの思い出やら今回の「アフターダーク」の感想やらを載せている…