「枯葉の中の青い炎」辻原登。

 やっと書店で購入。発売日に近くのリブロに行っても並んでおらず、渋谷のブックファーストで発見。やっぱり純文学系の単行本は賞に関係しないとこんな扱いか。読めば、結構おもしろいのになあ。
内容についてはこちらとかで紹介してます。
http://blog.livedoor.jp/marudonguri/archives/6696859.html
http://home.att.ne.jp/surf/anzai/sincho/0402/tujihara-chotto.html
 売り出し方が悪いだろうか。まあ辻原登と聞いても知らない人はまさか中年のオジサン作家がこんな過激なものを書いているなどとは想像しないだろうけれど。なんとももったいないことだ。


 「国防」石破茂
 ごぞんじ元防衛庁長官。知り合いの編集者さんが担当した本がやっと出た。以前から、編集者さんから産みの苦しみを聞いていたので、なんだかこちらまで感無量である。
 噂の軍事おたくぶりが紹介されるかと思えば、意外とまともな人であることがわかった。まあ、退官したとはいえまだ議員だし、やはりおたく色は抑えたのだろうか。
 驚くのは、二十代で父が死に、角栄さんの鶴の一声でそのまま議員になってしまったことや毎朝4時50分に起床という軍隊的ハード生活である。やはり朝に強くないと議員は務まらないらしい。私には絶対無理だな。


 「対称性人類学中沢新一
 いまさらながら「カイエ・ソバージュ」シリーズを読んでいる。元は講義録ということで、はじめに講義の醍醐味について語っている部分が印象的。曰く、準備しすぎると講義はかえってつまらなくなる。ある程度のコード進行だけ決めたら、聴衆との間合いを計りながら、即興的に語っていくと思わぬ言葉が飛び出してくるとのこと。同じ講義者として共感できる話だし、同時に耳が痛いところもある。


枯葉の中の青い炎国防対称性人類学 カイエ・ソバージュ 5 (講談社選書メチエ)