「グローバルメディア2005 / おたく:人格=空間=都市」東京都写真美術館。

marudonguri2005-02-06

 徹夜での設営作業を経て、なんとか開幕。本格的なおたく展は22日からで、これから2週間、無数のフィギュアなどをレンタルボックスに収納する作業などが行われる。
 おたく展は昨年開かれた「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」に出品展示されたものの再現である。ふだんはほの暗い展示ルームを、アキバのおたく系店舗の雰囲気に近付けるために、床面を白色リノリウム敷きにし、天井照明をあろうことか蛍光灯にしている。
 ベタ灯りの下、ぎっしりと並べられたアクリルケースや同人誌、美少女アニメポスターの空間は、いわゆる「美術品」鑑賞っぽい雰囲気とは無縁の世界だ。暗がりにスポットライトで浮かび上がるとモノはそれだけで美術的価値を帯びるが、今回の展示は敢えてそうしたまやかしにも似た美術的オブラートを避け、それが普段流通しているままの状態を見せている。


 こうしたものを美術館で展示することについては様々な意見、賛否両論が飛び交うと期待したが、フタを開ければほとんどが賛であり、美術というものに半ばケンカを売っているような気分だった身としては、いささか拍子抜けといったところである。まあこういったものを正面切って批判することは、今の時代の文化を知らないとか、考え方が古いとか言われそうでコワイのだろうか。もっと、張本・大沢親分みたいな頑固じじいの喝がむしろ聞きたいくらいである。そういう意見も自由に交わされないと、こうしたものが持つ本質が見えなくなり、一時の流行ということで処理されそうで心配である。
 今月末(2/27か?)には「新・日曜美術館」でもこのおたく展は取り上げられるらしいので楽しみである。