ロボッチイヌと浮世だんご。

NHK落語名人選 (5) : 三代目 三遊亭金馬三遊亭金馬(三代目) ポリドール 1990-05-25売り上げランキング : 54043おすすめ平均金馬以外の孝行糖って…「孝行糖」「薮入り」〜いずれも18番Amazonで詳しく見る by G-Tools 現在のマイブームは、三遊亭金馬(三代…

ネズミのことが気がかりでつい読売夕刊を読んでしまう。

ほとんどの新聞記事はネットで読める時代ですが、著作権の関係もあって、新聞連載小説はやはり紙で読むしかありません。 思えば、あの横長で真ん中に挿画がひとつあるという紙面のスタイルは、漱石の時代から変わっていませんね。 どんなに大事件が起きても…

志の輔、昇太、たっぷり。

最近はどうも気分がすぐれないのですが、好きな落語を聴いていると少しは気持ちが上向きになります。 iPodで聴くのもいいのですが、やはりライブで噺家のなりを見るのがたまりません。 安藤鶴夫がある随筆の中で、舞台に登場する姿見たさにやってくる客が昔…

椎名誠の実験。

銀天公社の偽月椎名 誠 Amazonで詳しく見る by G-Tools 「100年後の純文学」と銘打った、椎名誠の新刊が出ました。 「銀天公社の偽月」。これは「新潮」や「文學界」に発表してきた短編を集めたものですが、いずれも彼得意の奇妙な暗さを伴った近未来が描か…

丸善に檸檬。

愛用のボールペンのインクが切れたので、替芯を求めて丸の内オアゾの丸善にふらりと寄りました。 ここは建築的にはとてもすばらしいところだとは思うのですが、どうしても日本橋にあった頃の風情を懐かしく感じてしまいます。 地下鉄の通路から繋がっていた…

阿部先生、逝く。

先日、養老孟司先生から「若い時期に、人生の相談相手のような人に出会った人は幸運だ」という言葉を伺いました。 知識として何かを教えてもらうのではなく、暗示的なかたちで生き方や考え方を示すような師。 その時はなんだかわからないけれど、何十年か経…

にせものかホンモノか ー ポスト・デジグラフィ

恵比寿にある東京都写真美術館で「ポスト・デジグラフィ展」が開かれています。 http://www.syabi.com/details/digigraphy.html この展覧会は、一見すると単なるCGアートの紹介のようですが、実は私たちが今、情報や文化を吸収する際に直面している深い問題…

家具としての若冲。

覚悟はしていましたが、案の定混んでいました、プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展。 やはり「新日曜美術館」が放映される前に行くべきでした。 しかしこれだけの人が押し寄せるというのは、メディアの力だけではなく、若冲の絵に現代の人を引き寄せ…

時をかける少女、復活。

原作の筒井康隆氏が「よく稼いでくれるお嬢さん」とコメントしていましたが、この「時かけ」、今回で実に7回目のリメイクです。 時代が移り変わっても、魅力を失わない力がこの作品にはあるようです。 ディープなツツイストとしては、他の作品に比べて、「…

桂三枝トリビュート。

大銀座落語祭グランドフィナーレを飾る大立て者勢揃いです。 桂三枝トリビュート。 場所は先月、談志・志の輔が命を張った新橋演舞場です。 あの親子会は過度の期待のため、もの凄い緊張が演者にも客にも漂っていましたが、 今日はうって変わってリラックス…

今、蘇る円朝芝居噺。

毎年、足を運んでいる「志の輔らくご in 下北沢」。今年も行ってきました。 本多劇場という舞台を意識してか、ここでの公演は毎年趣向が凝らされています。 昨年は、文楽とのコラボ、それも落語の「猫の忠信」を元にした新作(?)文楽で、 落語ファンのみな…

ニューヨークでバルテュス。

久しぶりにニューヨークに行ってきました。 相変わらず刺激的な街で、古くて新しい発見にいくつもぶつかり、一週間もいるとへとへとになります。 あらゆる著名な美術館には私に対して容赦ない力を持った畏るべき部屋が存在しますが、ここニューヨークではメ…

ネット時代の図書館。

まあ既に多くの人が語っていることではありますが、図書館とアマゾン。この二つは現在の書店の天敵かもしれません。 最近、図書館を頻繁に利用するようになって、特にそう感じるようになりました。 私の家の近所には、区内でも有数の大型図書館があるのです…

作家とダイレクトに繋がる時代。

前回のエントリーを「ウェブ進化論」の著者の梅田望夫さんからトラックバックをいただきました。ありがとうございます。 http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20060503 このように著者のかたとダイレクトに繋がるというのが、まさに梅田さんの言われるような…

梅田望夫+平野啓一郎

「ウェブ進化と人間の変容」と銘打って、例の「ウェブ進化論」の著者梅田望夫さんと作家の平野啓一郎さんが今月号の「新潮」で対談しています。 梅田さんとこういうタイムリーな対談をするのは、作家では村上龍あたりかなと思っていたので、平野さんという名…

弟子ァはみんなバカ。

「弟子ァはみんなバカ。」と言ったのは立川談志。 それでも弟子になる奴が噺家になる。 落語は誰かの弟子にならなければ始まらない世界だ。小説のように新人賞も無いし、宝塚のように学校があるわけでもない。今も昔も師匠と決めた噺家に直談判するしかない…

嫉妬される志らく。

志らくのシネマ落語。池袋・新文芸座。先月の銀座・中央会館から志らく続き。 今月は「ドライビング・ミス・デイジー」。合わせて「百川」「明烏」「手紙不筆」を演ったのだが、それらのネタを随所にはめこんでくるので、すべての演目が繋がっているような感…

島田雅彦怒る怒る怒る。

アニキとして怒り、厳父として鉄槌を食らわしていた島田雅彦の文芸時評が終わった。 ほとんどの書評や時評が単なる新刊の提灯記事化している現在、希有な鋭さを持った批評だったので、終わるのはとても惜しい。 最終回は今までの憤懣が爆発したかのように、…

歌舞伎でイナバウアー。

三谷幸喜の初の歌舞伎、「決闘!高田馬場」がついに千秋楽に。幸いにも楽日に観ることができた。 前日にWOWOWで中継していたのをちらっと見てしまっていたが、役者の運動量がもの凄いことに驚いた。どこかに歌舞伎役者というのは一年365日、芝居をや…

福田和也、終わる。

最近、ラジオばかり聞いている。 ラジオというとアンテナ感度的に聴く場所が難しくて、どうしても億劫だった。 しかし昨年、「TalkMaster」というMP3録音機能の付いたラジオを手に入れてからは状況が変わった。 目についたラジオ番組をこれに片っ端からタイ…

台湾でオタク。

噂には聞いていたが、台北駅地下街(北側)が凄いことになっているというので、行ってみた。 フィギュア、同人誌、ゲームを扱うショップが軒を連ね、さながらミニ秋葉原である。 地下街は新宿サブナードのような雰囲気で、服や雑貨の店もあるのだが、客が群…

志の輔らくご、4連発。

最近、文学賞絡みで「勝ってよかった」だの「足の裏の米粒」だのの発言を聞いて、なんだか小説を読むのが嫌になってしまった。本屋の小説棚を見ても、食指が動かない。ワイドショーで御立派な正義の正論を吐いている作家の単行本がピカピカ光っているだけだ…

快楽亭ブラック毒演会&ほぼ日立川志の輔。

今年のクリスマスはなぜか落語三昧。まず24日は心筋梗塞から奇跡の復活を遂げた、不死身の借金王、快楽亭ブラックの「毒演会」へ。会場のお江戸日本橋亭周辺はしんと静まりかえり、まるでゴーストタウンのよう。やはりイブの夜は皆、家でまったりしているの…

ファウスト Vol.6 SIDE-B 発売。

ファウスト vol.6 SIDE?BAmazonで詳しく見る by G-Tools 厚さ5センチ超! 辞書ですか、これは(笑)。 ついこの間出たSIDE-Aが約4.6センチなので、確実に号を重ねるたびに厚くなっている。この事実だけでもう既にこれは買いである。歴史を変える、世界を動…

笑福亭鶴瓶落語会。

スジナシ 笑福亭鶴瓶×妻夫木聡×宮藤官九郎笑福亭鶴瓶 妻夫木聡 宮藤官九郎 Amazonで詳しく見るby G-Tools 最近、私落語というジャンルを開拓しつつある鶴瓶師匠。 私落語すなわち自分史を語る落語である。まさに私小説の落語である。 最近の小説で密かにおも…

夢の中の台湾。

奥本大三郎先生の「霧中の台湾」(新潮)を読んだせいか、ふと台湾に行きたくなって、行ってきた。東京から三時間と少し。週末のわずかな時間を使っても行けるので、ほとんど国内旅行の感覚だ。 先生の台湾行は霧と雨の日々だったが、今の季節は台風も無く穏…

同時多発的模倣。

最近、同時多発的に模倣問題が起きている。 「すばる」に掲載された篠原一の「19℃のロリータ」、マンガ家の末次由紀の「スラムダンク」トレース問題に続いて、今度は詩人の小池昌代である。さすがに現代詩ということで世間的にはほとんど話題になっていない…

養老先生の昆虫館。

とある企画のご相談で養老孟司先生の別荘にお邪魔する。 別名、昆虫館。日本有数のコレクションとも言われる先生秘蔵の昆虫標本を保存するために建てたものである。 設計はニラハウスなどで有名な藤森照信氏。 先生曰く、古墳をイメージしているそうな。「死…

寅さんと中沢新一。

男はつらいよ [DVD]出版社/メーカー: 松竹発売日: 2005/07/29メディア: DVD クリック: 14回この商品を含むブログ (34件) を見る 最近、なぜか「男はつらいよ」ばかり見ている。NHK-BSでもこの夏から2年かけて全作放送を始めるし、DVDも廉価版が発売された。…

志の輔三連発。

別に追っかけではないのだが、偶然今月は志の輔らくごに三度も足を運んでしまった。 まずは、国立能楽堂で行われた「能楽どーよ」。これは以前から彼がやっている狂言とのコラボである。 能楽堂というのは当たり前だが、落語をやるようにはできていない。 写…